簡単にわかるRFM

DtoCマーケティング

 今回は、DtoCマーケティングで重要なCRM(カスタマーシップマネジメント)で使われる、RFMについて解説していきます。まずRFMとはRecency(直近いつ)、Frequency(頻度)、Monetary(購入金額)の頭文字を取ったもので、3軸で顧客を分類する手法です。RFMを用いることで、ステータスごとの顧客のボリュームがわかり、事業売上のシミレーションができたり、どの層になんの打ち手をすべきかが見えてきます。

 具体的なやり方としては、まずその粒度を決めていきます。例えばRであれば、1か月単位にすれば、過去1か月未満、過去1か月以上~過去2か月未満という分け方になります。Fであれば、1回、2回。Mであれば、1,000円未満、1,000円以上~2,000円未満。という感じになります。その粒度に関しては、各社さまざまです。商品の売価や消費サイクルに応じて決めていくのが一般的です。ただ、重要なことは、

・言葉で説明できる
・打ち手が想像できる

です。粒度が細かすぎても荒すぎても、上記が難しくなります。何度もマージしたり分解したりしながら最適解を探していきましょう。

RFに人数を割り振る

 とはいっても、手間がかかるので、今回はざっくりと顧客構造を把握することを目的に、その基礎となるRFの作り方を解説していきます。

 なぜMを無視するかというと、まず大抵の場合、MはFに相関があります。だから、Fを見ておけば、自ずとMも関与さえることができます。また、やはり3軸だと、立体表現になってしまうので、理解に時間がかかってしまいます。まずはRFだけで見ていきましょう。

 そして粒度なのですが、まずはRは1か月単位、Fは1回単位でいいと思います。以下のような表がまずはできるはずです。セルの中は人数が書かれていると思ってください。

24以降は…と省略しておりますが、大抵の場合、人数が少なくなっているので、25か月以前、25回以上と省略してしまいましょう。表が広がると、やっぱり理解に難しくなります。

新規顧客と休眠顧客

 上記の表を眺めていても、なかなかアイデアが生まれてくることがわかりません。粒度が細かすぎるので、グルーピングしていきましょう。今回はシンプルに4つ、「優良顧客」「一般顧客」「新規顧客」「休眠顧客」というグループを作っていきます。
 まずは、「新規顧客」と「休眠顧客」です。新規は簡単ですね。F1です。そしてそのまま買わなかったら、休眠顧客になります。休眠顧客は迷うところで、消費サイクル次第なのですが、化粧品や日用品など一般商材であれば、1年でいいと思います。1年も買わなかったのに、「一般顧客」とみなすのは違和感があります。グループごとに色づけしていきましょう。

・新規顧客=黄
・休眠顧客=青
・その他=白

以下のような表になるはずです。

一般顧客と優良顧客

 肝心の一般顧客と優良顧客が混在しているので、まだピンと来ませんね。ここを分けたいところです。ここで、実は先ほど無視したMの出番です。まず、ローデータを用いて、一般顧客と優良顧客の層を同じ人数になるように10%ずつわけてください。そのうえで、その10%単位ずつ顧客群の売上を算出してください。割合も出しましょう。これはデシル分析という手法です。以下のような表が作成できれば完成です。

 そうすると、売上比率を足していくと、80%を超える線がわかります。上記の場合は、グループ2と3の間です。顧客全体の20%で75%の売上を創出していることがわかりました(この場合はパレートの法則というやつです)。その20%である、グループ1とグループ2を優良顧客と定義づけし、平均または中央値のRとFを出してみてください。仮定としてFが16、Rが9となったとします。今度は優良顧客を赤く色づけしてみましょう。

 あとは、その赤いセルの人数をみて、先ほど平均値や中央値でえいやで引いた線を、赤いセルの人数が20%になるように調整してみてください。
 
 これでRFの完成です。正直、非常に荒いです(笑)。ですが、顧客の分類が何もないよりはマシです。実際にはセルの中に人数が入っているので、一般顧客のうち何割を優良顧客にすれば、売上がいくら増えるか、というシミュレーションも可能です。休眠顧客→一般顧客、新規顧客→一般顧客も同様に可能です。

 データ解析には時間がかかるもの。その時間でロスするよりはまずはシンプルに出してみて、あとでチューニングしていくのがお勧めです。

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