ベンチャー企業も大企業も渡り歩いた自身の経験からご紹介している、中小企業と大企業の違い。これから、就職をされる方、転職をされる方に参考になれば幸いです。さて、今回は中小企業の良い所、悪い所を解説していきます。
中小企業の良い所
ひと言でいうと、「主役になれる可能性が高い」です。その会社に勤務している人が少ないので、裁量が広く、他部署との距離が近いです。まずは自分の持ち場で実績を上げれば、とんとん拍子に裁量が大きくなり、自部署だけではなく、他部署も関与するプロジェクトにどんどんアサインされる可能性が高くなります。
もちろんベンチャー企業ではなく、歴史の長い中小企業もありますので、社内政治が絡むこともありますが、人の数が少ない分、やれ何々派閥がどうのこうの、といった複雑な社内政治が蔓延っていることはあまりありません。そのため、トップクラス、要は社長や執行役員クラスに気に入られれば十分でしょう。なお、そういった所謂お偉いさんとの距離が近いのも中小企業の良い所です。
社内の稟議フローのステップも少ないので、その分、仕事が早く進められます。というより、中小企業は質やスピードで大企業に戦わなければいけませんので、仕事のスピードが求められます。
また、社内の制度が不十分なので、例えばワークフローや人材育成制度など、改善の余地が十分にあり、それを提言することでスピーディに変革を行える可能性が高いです。
私もとある会社で、来る仕事来る仕事引き受けていたら、恐らく全社員と知り合いになっていて、自分の存在価値を実感できました。
中小企業の悪い所
さて、一方の悪いところですが、やはり不安定ということでしょう。大企業のように複数の事業を行っているケースは少ないため、1つの事業が不振に陥ると、それがダイレクトに会社全体に降りかかってきます。それはそれで中小企業の良い所かもしれませんが、一人の平社員であっても会社全体の業績を気にするようになります。
社内も不安定です。まずきちんとした人事制度がない。会社によりますが、人の出入りも激しいので新卒の研修もおざなりの場合が多いです。中途の割合も高く、いわゆる共通言語のようなものがありません。なので、プロジェクトを進めようと思っても、内容の良し悪しより先に、伝わるか伝わらないかと気にする必要があります。大企業のように「これをやれば正解」がないので、常に曖昧な中で「自分でルールを作っていく」ぐらいの気持ちを持つ必要があります。
そういえば、とんでもないクセのある人と出会う可能性も高く、例えば無茶苦茶仕事はできるが、無茶苦茶人でなしのような、大企業であれば人事考査で弾かれるような人がいたりするので気を付けてください。でも、それが楽しいところといえば楽しいところです。
あとお金も限られています。あれもしたい、これもしたいというアイデアがあっても、大企業よりその制約は大きいです。コストに対しての意識も高く、どんぶり勘定的な予算は認められません(そこはそれで人間として生きる力が身に付くとも言えますが)。そのため、取引業者も限られる場合があります。要は足元見られるというやつです。例えばWEBで資料請求をした際、大企業であれば、すぐに優秀な営業マンをよこす企業も、中小企業にはレスをしなかったり、あまり優秀ではない営業マンをよこしたりします。
そして、最後に「主役になれる可能性が高い」の反対で、「脇役に留まる可能性も高い」です。大企業であれば異動のチャンスもあるので、何かヘマをしたとしても、上司とそりが合わず実力が発揮できなかったとしても名誉挽回のチャンスは多いのですが、中小企業の場合は少ないです。理由としては、人が少ないので、すぐに自分の評判が全社に伝わってしまうのと、育成する余裕がないので、結果を出した人に仕事をどんどん回す傾向にあるからです。
中小企業はこんな人におすすめ
・スピード感を持って仕事がしたい。
・会社への参加意欲が高い。
・曖昧さに耐えられる。
・学ぶことより学んだことを人に伝えたい。
以上。中小企業の良い所、悪い所でした。
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