7歳の息子が最近覚えた漢字は
「最強の剣」だ。
「空」という字でもなく、
「海」というで字もない。
ファンタジーの世界でしか登場しない
「最強の剣」だ。
その漢字の使い道は
現実世界では思いつかない。
仕事のときに最強の剣と
タイプした記憶がない。
「お疲れ様です。
今日最強の剣を手に入れました」
とはならない。
こうしてブログを書くときだけだ。
しかし、画数の多い漢字を
7歳の息子が覚えたことには、
驚くばかり。
私が教えたわけではないし、
まだ学校でも習っていない
漢字だからだ。
そういえば、私が子どものころ、
漢字を覚えたのは本か漫画だった。
もちろん、学校でも習ったが、
大抵、先に覚えていた。
本や漫画を何度も
繰り返して読んでいるうちに
いつの間にか読み書きを
覚えていたのだ。
それと同じように、
今の子どもたちはゲームや
YouTubeで漢字を覚えるようだ。
YouTubeやゲームにも
漢字が多く使われている。
もちろん振り仮名があるときもあるが、
そうでないときも多い。
そんなときは漢字を絵として捉えて
前後の文脈でなんとなく読もうとする。
当然間違えるときもあるのだが、
私が本で漢字を覚えた方法と同じだ。
まず「読み」を覚えるのだ。
そして、今度は「書き」。
実際に手で書くわけではないところが
昔と全然違うところ。
リモコンやコントローラーを手に、
画面にタイプをしていくのだ。
しかも、すべての文字を
入力するわけではない。
ひらがなで最初の数文字を
検索窓に入れると、
サジェストワードが
複数出てくる。
そして、どこかで見た
漢字を選択するのだ。
「ただの当てずっぽう」と
思われるかもしれないが、
意外と当たっていることが多い。
息子の頭の中で映像がいくつも
重なりあって正解を
導いているだろう。
新しい時代の「読み」と「書き」。
こうして息子は「最強の剣」を手に入れた。
漢字ばかりではない、アルファベットも
同じように覚えている。
私がアルファベットを覚えたのは、
中学生くらいだ。
当時はテレビでもそれほど
英語は登場していなかった。
学習の仕方もずいぶん変わったものだ。
しかし、変わらない学習方法もある。
息子は右と左を
しょっちゅう間違える。
ゲームを一緒にプレイしているとき、
私が「右に行って」というと、
息子は左に行ってしまう。
そのたびに私は、
「お箸を持つ方が右」と教えている。
恐らく何百年と続く学習方法。
それ以外の教え方に
出会ったことがない。
なんだか感慨深くなる。
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