中小企業か大企業か選ぶポイント~責任の範囲~

ビジネス

 就職、転職に関して、大企業と中小企業では、実際どちらを選択するのがいいのでしょうか? 正直一概には言えません。ただし、いくつかポイントがあると思いますので、そのポイントを紹介していきます。今回は「責任の範囲」について解説していきます。

責任の範囲の重要性


 私が尊敬するマーケッターの森岡毅さんが『誰もが人を動かせる! あなたの人生を変えるリーダーシップ革命』という本の中で、こう書かれています。

小さな責任範囲では、リーダーシップは育ちにくいのです。

森岡毅著『誰もが人を動かせる! あなたの人生を変えるリーダーシップ革命』より

 本の主旨からリーダーシップに限定していますが、私は責任範囲は、社会人としてのすべての実力を育てると思います。プロジェクトの責任範囲が大きくなればなるほど、関与する人、業務が多くなります。いわゆるピープルマネジメント力が必要ですが、すべての業務の判断を求められるので、多種多様な知識も必要となりますし、知識が足りない部分も自分で仮説立てて判断をする力が必要となってきます。
 
 例えばこれまではWEB広告の担当者だったのに、EC全体の責任者になったとします。これまではWEB広告の知識だけあれば良かったはずが、システム、物流、会計、調査などなど、様々な分野の知識や判断が必要となってきます。
 
 「あとは任せた」という昭和の部長像を思い描くかもしれませんが、実際には、そのプロジェクト全体を任されている人に責任はあります。失敗した際に「なるほど、部下が悪かったのね」となるわけがありません。その管理も責任者の仕事です。

 目の前の自分の仕事だけに没頭するだけではなく、周囲の進捗を見つつ、都度、良し悪しや軌道修正を行わなければいけません。毎月の報告会などがあった場合、その前日から頭痛がするところです。ですが、そのプロジェクトを達成したとき、成否は問いません。前後でとてつもなく成長した実感を得られることでしょう。

責任の範囲はどちらが広いか?

 さて、では大企業と中小企業どちらが、責任範囲が大きいプロジェクトが任されやすいかというと、やはり後者です。大企業の場合、プロジェクトの規模自体は大きいですが、その分、その責任者になるのは困難です。一般的な官僚主義によって構築されたピラミッドが存在し、その上に立つことは容易ではありません。

 その点、中小企業でもピラミッドは存在しますが、昇り詰めるチャンスは多いです。実力が認められたとき、という前向きな理由のチャンスもあれば、例えば前担当者が辞めたとか、急遽、仕事がふってきたという後ろ向きな理由のチャンスもあります。中小企業では余剰人員など抱えていませんから、とり急ぎ既存の社員を抜擢することになります。

 実際、私がベンチャー企業で働いたときがそうでした。他に人がいないからという理由で入ってすぐにリーダーに選任され、新卒の教育を任された挙句、またも他に人がいないからという理由で、次々と仕事を任され、気が付けば全部で8個以上のプロジェクトを平行して行っていました。しかも、全てのプロジェクトで、関連各所が異なります。当然、業務量はとてつもなく、毎日終電が当たり前。ただ、1つプロジェクトを終えるたび自分の成長を感じることができました。

責任が広いポジションを得られるパターン

 ここまででいうと、中小企業の方が良い、という話になってしまいますが、大企業でももちろん責任の範囲が広いポジションを得ることは可能です。いくつかのパターンを挙げてみます。

・急成長で事業を拡大している。
・新規事業を立ち上げている。
・中途で責任の範囲が広いポジションで採用される。
・部門横断型のプロジェクトを推進している。
・とにかく出世する。

今回は以上になります。次回は別のポイントを解説したいと思います。

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