中小企業か大企業か選ぶポイントはいくつかありますが、今回は「生活」編をお届けします。なので、「私の人生は仕事がすべてである、他は一切関係ない」という方は、ぜひ読まないでください(笑)。あくまで仕事と生活、どちらも両立させたい方向けのテーマになります。また、テーマが広いので2つにわけて解説していきます。「こころ」と「お金」です。
こころ
仕事と生活の両立のためには、心と体が健康であることが絶対条件。仕事で精神を病んだり、体を痛めてしまうことは、極力さけるべきです(もちろん逆もしかりですが)。仕事で心に悪影響をもたらことは多々ありますが、大きく言うと「ストレス」ではないでしょうか。さらに「ストレス」を要因を細分化すると、「人間関係」「仕事内容」「拘束時間」です。
私の経験では大企業は「仕事内容」のストレスが多く、中小企業では「拘束時間」のストレスが多かったです。「人間関係」は、部署や上司、同僚によるので、どちらとも言えません。また残念ながら入社してみないと不明なことが多く、正直、当たり外れの世界です。なので「仕事内容」と「拘束時間」に関して解説していきます。
大企業は兎に角、人が多い。自分のやりたい職種があっても、なかなか希望の職種に就けるとは限りません。例えばマーケティングの職種に就きたくても、人事の部署に配属された、ということもあります。会社がその人の素養を見て判断していきます。稀に申告制度があり、定期的に異動希望を募って配属転換が可能な会社もありますが、実は裏で部長クラスが取捨選択をしているケースが多く、希望が通ることは難しいです。
「私はこの会社で仕事ができれば何でもいい」という方より「私はこの仕事で生きていきたい」という方が多いと思いますので、そこがストレスになります。最悪なケースが仕事が与えられないことです。最近は少ないと思いますが、いわゆる追い出し部屋で仕事を与えられない、というケースです。「毎日会社に行ってやることがない」という状況が一番辛いのです。
その点、中小企業では、人が少ない分、チャンスを得る場面も多いです。放っておいても仕事が降ってきます。手を挙げたが最後、両手に抱えきれない仕事を渡されます(笑)。その代わり、「拘束時間」のストレスが発生するリスクが高くなるのです。仕事がどんなに好きな方でも、やはり時間には限度があります。仕事量が多ければ多いほど、神経も使うので、どんどん心に負担がかかってきます。特に睡眠時間が確保できなくなると、心の負担が元に戻らないまま、次の日を迎えることになります。
私がベンチャー企業にいたとき、終電帰りは当たり前だったのですが、通勤時間が短かったため、十分な睡眠時間を確保できていました。逆に確保できない方は、表情が日に日にやつれていくのがわかりました。また、危険なのは、自分ではその変化が気が付きにくいということです。気が付く暇がないという表現の方が正しいかもしれません。
「仕事内容」のストレスであれば、それを愚痴ったり考えたりする余裕があるのですが、「拘束時間」のストレスの場合はその時間もないのです。「自分が選んだ仕事だし」「責任ある仕事だし」と、前に前に進んでいき、気が付いたときには心が病んでしまうのです。ただ、最近は労働時間に厳しくなってきました。そこまで過度な拘束時間はないと願います。
お金
次にお金です。お金が全てではありませんが、人生過ごすうえで、やはりお金は必要となります。生活水準によりますが、必要最低限収入を確保しないと、仕事どころではなくなってしまいます。その必要最低限は人それぞれですが、一般的には独身の方の方が少なく、家族が多い方が多いはずです。あとは生活水準。本当に必要最低限の衣食住でいいと思うか、贅沢をしたいと思うかです。
大企業だから給料が良いとは言えませんが、安定した収入を得られる可能性が高いのが大企業です。ただし、中小企業の方が昇給のスピードが早い場合もあるので、最初に設定される給与だけではなく、上の役職がもらっている給与も調べておくと参考になります。
また、条件面で月給や賞与ばかり見がちですが、そこには落とし穴があります。各種手当、退職金、確定拠出年金などもチェックしておく必要があります。こちらもやはり大企業の方が充実しています。実際、私が大企業に転職する際、額面だけみると、転職前の中小企業の方が上回っていました。ただ、よく見ると、子ども手当があったり、確定拠出年金の積立資金が給与とは別途支給だったりして、トータルでは上回っていました。なお、特に退職金は大きいので、月給が高くて退職金がない、確定拠出年金もない会社に入った場合は、自分で資産運用していく必要がありますので、気を付けてください。
余談になりますが、住宅ローンを組む予定の方は、大企業の方をお勧めします。銀行は会社名でその人の融資条件を決めていきます。上場している企業かどうかで、利率も異なりますし、銀行によっては融資を断られることもあります。なお、今の会社に何年勤務しているかも査定に含まれるので、転職を考えている方は、タイミングを間違えないようにしましょう。審査のときはもちろんですが、ローンの初回の返済時も審査のときと同じ会社にいる必要があります。
さて、こころとお金をテーマに企業を選定するポイントを紹介してきました。正解はないというより、個々の状況、自分の年齢もそうですが、例えば育児や介護などのライフステージに関連して自分に合った正解を見つけるしかないと思います。自分が生活をするうえで、何が必要条件をふまえたうえで、入社の条件を考えてみてください。
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