明けの運動会

パパの育児

台風が明け、緊急事態宣言が
明けた、ある秋のときのこと。
小学1年生の長男の運動会が
快晴の空の下で開かれた。
緊急事態宣言中に準備されたため、
種目は一学年につき、わずか2種目。
運動会自体、午前中で終わった。

長男はかけっこと、ダンスのみ。
待機中はマスクをつけているが、
競技中はマスクを外す。
われわれ大人自体が
初めての経験をしている状況の中、
長男にとっても
初めての小学校の運動会。

ビデオカメラのファインダー越しに、
我が子が一生懸命に走ったり、
踊ったりする姿を見て、
思わずうるっと来る。

私の子どもの頃を思い出すと、
運動会は長く辛い時間だった。
校長先生の長い話しから始まり、
他の学年の競技も延々続く。
紅組と白組の得点争いは熾烈で、
どちらかが逆転されるたびに
大きな歓声があがっていた。

ひとクラスに生徒が50人いて、
ひと学年5クラスあったマンモス小学校。
かけっこだけでも時間がかなりかかる。
当時は水分補給という概念もなく、
のどがカラカラになりながら、
お昼ご飯を待ったものだ。

それに比べると今回の運動会は
非常にコンパクト。
保護者も密を避けるために
自分の学年の出番があるときのみ、
グランドの前に立つことを許される。
いわゆる場所取りに労力を
取られないのはありがたい。

私は自宅が近いため、
子どもの出番を見計らって、
小学校と自宅を行き来して過ごした。
そのため、終わったときは、
拍子抜けした感がある。

ただ、長男にとっては
貴重な体験だったようだ。
後で私が取ったビデオの映像を見せると、
楽しそうに解説をしてくれる。
ダンスの時に流れた曲も気に入って、
毎日ように聞いている。

ネクスト・ノーマルの幕開け。
やっぱり家の中だけじゃつまらないよね。

そういえば、幼稚園の年少の次男の
発表会に行ったとき、
園長先生が面白い話をしてくれた。
緊急事態宣言が明けて、久ぶりの発表会。
ただ、コロナ以前も
インフルエンザで頻繁に
中止していたそうだ。
最近ではほとんど園児は
インフルエンザにかからず、
開催できたということだ。
コロナのおかげでインフルエンザに
かからなくなったというのは皮肉なもの。

目の前ではたくさんの園児が
劇の登場人物になりきって
楽しんでいた。
我が子もブタの役で
少し緊張しながらも
一生懸命セリフをしゃべっている。
トライアングルも上手に叩く。
どんな時代であっても、
貴重なシーンであると改めて感じた。

いろいろ配慮は必要だが、
五感で享受できるような
リアルな体験をさせてあげたい。
そう感じた快晴の土曜日だった。

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