朝起きて、子どもの寝ている姿を見ると、
なんで、こうなったのか、
と驚くことがしばしばある。
7歳の長男は最近まともになったが、
4歳の次男は相変わらずだ。
頭と足が反対になっていたり、
布団からはみ出て
床に寝ていたりする。
就寝時には、ちゃんと
頭を枕にのせて
布団に入って寝たはずなのに、
夜の間に何があったのか。
謎でしょうがなかった。
ヨシタケシンスケさんが書かれた
『ねぐせのしくみ』という絵本がある。
夜、主人公の女の子が寝ると、
謎の生命体がやってくる。
女の子を不思議な世界に連れていき、
寝たままの女の子を
パレードで歓迎したり、
滑り台にのせたりする。
そして女の子の家に戻ると、
寝癖づくりが始まる。
美容師風の謎の生命体が、
女の子の髪をもじゃもじゃにセット。
仕上げによだれやパジャマのみだれも
作っていく。そんな、
とても愉快なストーリーだ。
ひょっとして、うちの次男も
私が寝たあと、謎の生命体に
寝相を作れているのではないか
と疑ってしまう。
その謎がある日、
思いもよらず解明された。
ある晩のこと、
次男と一緒に寝床についた。
その日は仕事が立て込んでいたせいか、
頭の火照りが冷めず、
私自身の寝付きが悪かった。
道路を車が走る音など、
いつもなら気にならないような
小さな物音がするたびに、
目を覚ましてしまう。
次男は私の横ですやすやと寝ていた。
突然、すぐそばで物音がした。
私は瞬時に目を覚ます。
目の前には思いがけない光景が。
次男が無言のまま
ベッドの上で立ち上がっていたのだ。
一体何が起きたのだろうか?
暗闇の中で目を凝らして次男を見ると、
その目は閉じられたままだ。
どうやら目は覚めていないらしい。
ベッドの上で立ち上がったまま、
じっとしている。
枕元の時計を見ると、まだ朝の2時だ。
ベッドから落ちたら危険なので、
次男の様子を注視した。
しかし、数十秒後、私の不安をよそに、
次男は何事もなかったように
枕と反対方向に向き直り、
再びベッドに横たわった。
頭と足を反対にして。
謎は解けた。
これでゆっくり寝られるだろうか。
枕に頭をつけ、眠ろうとする。
視線の先には、
次男の小さい足が伸びていた。
次男は一体、どんな夢を見て
寝ているのだろう。
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