Cookie規制により多くのデータが取得できなってきました。例えば、お客様がサイトを来訪し、何のページを見た、かという情報もわからなくなる日も近いかもしれません。お客様の購買データと行動をかけあわせてレコメンドをしている企業も多いはず。しかし、それができなくなるのです。その日を想定して、お客様を特定するデータを取得・活用していく方法を今から準備しておく必要があります。
ゼロパーティデータとは
Cookieが使えない場合、お客様に許諾のもと得られた情報が重要になってきます。それがゼロパーティデータです。属性情報と呼ばれる氏名、住所などはもちろんですが、任意の入力情報が重要となってきます。まず年齢、性別は欠かせません。会員登録時などで任意取得している企業の方が多いでしょう。
しかし、それだけでは、その人となりまでを想定できません。取り扱う商品にもよりますが、総合通販サイトであれば、例えば30代、女性だけでは、レコメンドすべき商品の特定は困難です。もちろん、一度ご購入いただければ、その購買データを元に協調フィルタリングなどの手法で、レコメンドは可能です。しかし、まだ購入していないお客様はどうすればいいでしょうか? その方法を解説する前に、そもそも、お客様を特定すべき必要なデータについて考えたいと思います。
必要なデータとは
お客様を特定する情報をやみくもに取っても意味がありません。デモグラフィック、サイコグラフィック情報をまんべんなく取得して、それらを多変量解析する。そんな方法も想定されますが、その情報取得時に不信感を持たれてしまうでしょう。必要最低限の情報に絞りたいところです。それは、今後、何の商品をいつ提案するかというトリガーになる要素になります。それは、ずばり何か、ということですが、逆転の発想です。この商品が欲しいか、という直接の質問を答えやすくすればいいのです。
例えば旅行会社のサイトだとします。そのサイトでは、国内、海外の様々なツアープランが用意されています。サイトに訪れる方は、多種多様な目的を持っています。出張で大阪に行きたい方もいれば、プライベートで温泉に行きたい方もいます。当然、サイトには検索欄があり、利用目的や行き先でプランを検索することができます。しかし、その行為はお客様の能動的な行為に任せているので、それまでに離脱する可能性も高いです。どうせなら、ずばっと、そのプランをバナーで表示させたいところ。
そのときに聞くべきことは何でしょうか? まずは目的です。「仕事」「家族」「ひとり旅」などが選択肢にあがるでしょう。次に行き先。これをまともに聞こうとすると選択肢が多くなります。かといって「国内」「海外」だけですと、アバウトすぎて表示すべきプランが絞り込めません。そんなときは、お客様の気分を伺ってみるのはどうでしょうか?
まだ能動的になっていないお客様というのは、行き先自体が不透明なのです。ジョブ理論ではありませんが、お客様はプラン自体を求めているのでありません。例えばリラックスしたいとか、美しい景色を見たいとか、そんなジョブを抱えているのです。そのジョブを聞いてみましょう。例えば「のんびりしたい」「ショッピングを楽しみたい」「美しい景気を見たい」「アスレチックを楽しみたい」といった選択肢になります。いかがでしょうか? その質問の答えであれば、代表的なプランをレコメンドできる感じがしませんでしょうか?
データの取得方法
そして、取得すべき内容が決まれば最後に取得方法です。これまでは会員登録時にアンケートで取得するのが一般的でした。しかし、会員登録をするという行為自体がハードルがあるため、そこにアンケートを差し込むと離脱される可能性が高まります。もっと簡易に取得する方法があります。それはポップアップで表示する方法です。画像などを用いて行為自体を楽しく演出すれば、取得率はあがるでしょう。質問数は先に述べた通り、多くしてはいけません。2,3問が限界でしょう。3分くらいで簡単に答えていただき、答え終わったら、すぐにその回答に適合するコンテンツを表示してあげるのです。
お客様も多数の商品群から、自分に相応しい商品を探すのは手間です。かといって、自分の行動ログを勝手に解析しレコメンドされるのも、いい気がしません。というより気持ち悪さがあります。購入に際して躊躇する気持ちが生まれるかもしれまえん。しかし、自分が楽しみながらアンケートに答えることで、自分に相応しい商品をおすすめしてくれのであれば、喜んで回答してくださるでしょう。つまりは、WIN WINになるのです。
まとめ
以上が「お客様とWIN WINになるゼロパーティデータ」でした。再度にまとめです。
- Cookieが利用できなくなっても代替案あり。それがゼロパーティデータ。
- 取得すべき情報は最低限に絞る。お客様のジョブにフォーカスする。
- サイトのポップアップなど簡易な方法で取得する。楽しみながら答えていただく。
ご参考になれば幸いです。
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