コロナ禍でますます苦境に立たされるリアル店舗。EC勢力の拡大で、そもそも、わざわざ店舗へ足を運ぶということも久しい。ECの方が便利だし、品揃えも豊富にあります。Amazon Primeなら送料も無料。なぜ、労力をかけてお店に足を運ばなければいけないのでしょうか。
お店にわざわざ来る意味とは?
しかし、すべてネットで事が足りるわけではありません。ネットスーパーや出前サービスも発達しているが、やはり時間差はあります。すぐに商品が欲しいときには外に出かけなければいけない。また、子どもがいる家庭にとって、買い物はちょっとしたイベントです。健康のためにも、散歩をしながら外へ買い物に出かける。前者は目的買い、後者は衝動買いになる可能性が高いです。そのお店がどちらに該当するかで重要なこと、またその優先度が違ってきます。そこを見誤ると、折角訪れたお客様を逃したり、そもそも来訪されなくなるでしょう。さて、その重要なことを以下にまとめてみました。
目的買いのお店にとって重要なこと
目的買いの場合は、重要なことは以下の3つ。
- 購買データの解析による品揃えと値付け
- 純粋想起率
- 立地
購買データに基づく、品揃えや値付けがまずは重要です。近隣住民のニーズを把握したうえで、品揃えや競合他社に優位な値付けをする重視する必要があります。例えばコンビニやスーパー、ドラッグストア。過去の莫大なデータを元にデータサイエンティストによる解析で、日々精度をあげていく。そんなプレイヤーたちが勝利を収める世界です。また、店名やブランド名で選ばれることも多いため、「コンビニといえばどこ?」という純粋想起率を上げるためにCMやPRも重要となってきます。そして、やはり立地。商圏の人数と競合の数いかんで、オープン後まもなく成否は明らかになることでしょう。
衝動買いのお店にとって重要なこと
衝動買いのお店も上記3つも重要ですが、それ以上に「体験価値」が重要になります。ショッピングをいわばエンターテイメントにするということです。なぜなら、コンビニやスーパーに置いてある商品のように、「それを欲しくて来た」お客様が対象ではないからです。「体験価値」を分解すると、以下になります。
- 販売促進・外観
- 内装・商品レイアウト
- 独自の品揃え
- 心地よい接客
まず彼らをふらっとお店に立ち寄らせなくてはなりません。CMやチラシ、WEB広告、フリーペーパーなどといった販売促進またはお店の外観で人を引き付けなくてはならないのです。そこで重要なのは期待感。「このお店に行ってみよう」という期待感を独自の価値で高めなければいけません。次に内装、商品レイアウト。ここで、お客様の興味関心を高めていくのです。
そして、やはり商品。独自の品揃えが重要です。「このお店ならでは」という商品があってこそ、購買意欲を高めることになります。他のお店でも扱っている商品であれば「また別の機会に」という気持ちになってしまいます。テスターがあれば尚良し。わざわざリアル店舗に来た意味を実感していただけることでしょう。そして、最後は接客。どれだけデジタルの世界が進歩して、接客ツールやMAの類が進化しても、「今まさに買おうか迷っている」「今は話しかけないで」というお客様の気持ちやタイミングを逃さない技術は人間には勝てないはずです。
ふらっと来るお客様
以上が「目的買い」「衝動買い」別の重要なこと。それらを達成できたなら勝利は目前です。お客様は「商品」ではなく「お店」を気に入ったことになります(但しセールやクーポンが要因である場合は別)。次からを期待してください。そのお客様は「ふらっと立ち寄ってくれる」ことになります。何か特別なイベントをやっているわけではないはずなのに、毎週、毎月のように現れるのです。そんなお客様がたくさんいれば、お店は宣伝せずとも繁盛します。
ただし、いずれは飽きたり、他のお店に浮気されて離反していくことも考えられます。そのために、日々コミュニケーションやサービスを進化していくことが重要となってきます。
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