逆説:最低な会議のつくり方

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 オンライン会議が主流になり、物理的な制約がなくなったため、会議が増えてきました。会議自体は何の生産性もありません。目的が達成できなければ参加者全員の時間や神経を浪費しただけになります。そのため、出来る限り「最高な会議」と言える会議の数を増やしたいところです。

最高の会議を目指すために最低の会議を考える

 では、「最高の会議」とは何でしょうか。それを考えるために、まずは「最低の会議」を考えてみましょう。まずは「最低の会議」に必要な要素を洗い出し、その要素を除外すれば、「最高の会議」になるということです。「最低の会議」に必要な要素を分解すると、会議主催者である「ファシリテーター」か「参加者」に関係する要素になると思います。この2者に関わる要素をさらに深ぼっていきたいと思います。

ファシリテーターからの最低な要素

 まずは、会議を主催する方がファシリテーターに起因する最低な要素から解説していきます。会議主催者なのですが、会議が始まる前から、最低な要素が存在しています。順番に見ていきましょう。

目的が不明確

 あまりに当たり前のことですが、会議には目的があるはず。しかし、実は目的が欠如している会議も多いものです。例えば定例会。昔から開催していたという理由だけで開催していませんか? 「誰々さんから開催して」と言われたから開催したというケースもあるでしょう。そもそも、その会議が必要かというところから考えるべきです。そして、会議が必要だと判断した際は、必ず招集の際にその目的を明記しましょう。会議資料がある場合は、その1ページ目に記載すべきです。

アジェンダがない

 会議は1時間なり2時間なり、時間に制約があります。会議が始まってから議題を考える会議は不毛です。よって、議論すべき内容を事前にまとめておく必要があります。議題とその時間配分をまとめておきましょう。こちらも会議依頼の際に明記のうえ、会議冒頭に説明することが会議を円滑に進めるポイントです。

議題に必要な情報がない

 議題をまめると、議論に必要な情報が見えてきます。たまに手ぶらで会議にのぞむ方もいますが、それは会議ではなく、ただの相談です。参加者からすれば他所でやってくれという気持ちになるでしょう。必要な情報は資料にまとめておくべきです。自分が持ち合わせていない情報があれば、先に伝えて準備してもらいましょう。「あれ、あの数字はいくつだったけ?」という疑問で時間を浪費する会議、ありますよね。

重要の数字が間違っている

 会議資料は完璧に用意する必要はありません。本を出版するわけではないので、多少の誤植も大目にみるべきです。ただし、会議の結論を左右するような重要な数字は正確でなければいけません。例えば、新企画のシミュレーション値や過去の企画の実績など。そこを間違ってしまうと、もはや会議自体の意味がなくなります。

自分の意志がない

 「だから何?」という会議によくあるパターンです。ファシリも完璧、資料も完璧。なのに、結局、何をしたいのか主催者から伝わってこない……。もちろん情報共有が目的であれば、それは達成できていますが、その企画を進めたいということであれば、その意志を伝えるべきです。そのうえで、参加者に意見を求めるべきなのです。「上司にやれと言われてやろうと思っています」という気持ちは参加者に見透かされてしまいます。途端に会議は白けてしまうでしょう。

参加者からの最低な要素

 次に会議の参加者に関係する要素をあげていきます。こちらの方こそ、最低な会議の「あるある」かもしれません。こちらは主に読めばわかる内容なので、解説せず要素を列挙したいと思います。

  • 事前に共有した内容や前回の会議の内容を覚えていない。恥もせず、同じことを聞く。
  • 意見は言うが、誰も何も決断しない。意見がわれた場合、また次回に持ち越しとなる。
  • 参加者がわからないことを話題にする。みんなで「わからない」というだけの時間を過ごす。
  • 余談が多い。アイスブレイクだけで10分以上経過する。
  • 枝葉の話題に時間を割く。重箱の隅をつつく。それで鬼の首を取ったように勝ち誇る。
  • 時間を意識せず自由に発言する。結論が出ないまま会議が終わる。
  • 批判ばかりする。代案も出さない。評論家のような人が多い。

まとめ

 以上が「最低な会議のつくり方」でした。まずは自分が主催者の場合、上記を意識して改善すれば、「最高の会議」に近づくことでしょう。あとは、参加者の方の要素の除外は難しいものです。他人は変えようがありませんから。

 ただ、ちょっとした工夫をすることで除外することができるものです。例えば、資料の冒頭に「前回の振り返り」を記載しておけば、同じ内容が繰り返されることを防げます。タイムキーパーを用意しておけば、無駄な時間も少なくなるでしょう。あまりやり過ぎると軋轢を生んでしまいますので、可能な範囲で実践してみてください。

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