映画『ラストベガス』の感想

レビュー

 大学時代からのかけがえのない友人3人がいる。おじさんになった今でも1年おきにあうたびに、今の話で盛り上がる。昔話ではない。家族の話だったり、仕事の話だったり。あのときはああだったよね、という昔の話も合間に出るがその程度。それが心地良い、20年来の仲間たち。

 今回、ご紹介するのは『ラストベガス』。日本では2014年5月24日に公開された映画です。主人公たちは60年来の仲間たち4人。70歳以上のおじいちゃんです。演じるのは、まさに名優揃い。ロバート・デニーロ、マイケル・ダクラス、モーガン・フリーマン……。あと一人は誰だ? ケヴィン・クラインという方らしいです。しかし、よくもこれだけの名優を集められたもの。1人ひとりで映画を撮れるのに、4人集めてみました、というのがハリウッドのすごいところ。実際、タイトルやあらすじではなく、役者目当てに観てしまいました。

 映画はマイケル・ダクラス演じるビリーが若い娘と結婚することになり、アメリカで離れて暮らす親友の4人が集まることから始まります。独身最後の夜をラスベガスで羽目を外すのが目的です。しかし、ビリーはロバート・デニーロ演じるパディとぎくしゃくしています。パディの妻が亡くなった際、その葬儀にビリーが参加しなかったのことを根に持っていたためです。ラスベガスで時間をかけて、幼い頃のように羽目を外していく4人。次第に昔のように意気投合していきます。そんな中、4人の前に美人の歌手が現れます。すぐにその女性に惹かれるビリーとパディ。再び、ビリーとパディの対立が始まってしまいます。なぜ、ビリーは葬儀に参加しなかったのか、その理由も明らかにされていきます。

 さて、映画の見どころは、やっぱり4人の名優たちの演技。旧来の友人という役どころそのままに、息の合った演技を見せつけてくれます。ロバート・デニーロは若い頃の映画もよく見ていたので、70歳になった役どころはまた新鮮に映ることでしょう。あまりの自然の演技に、自分とその友人の将来も投影してみてしまいました。「自分が70歳になったときも、今の友人たちと集まって馬鹿ができるだろうか」。きっとこの映画のように頑固なおじいちゃんになっているかもしれません。身体のいろんなところにガタも来ているでしょう。ただ、そのとき、昔の感覚で一緒に「今」を楽しむことができたなら。見終わったとき、そんな気持ちにさせてくれた一本でした。

 

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