数をおぼえる子どもたち

パパの育児

長男は文字をおぼえるのが早かった。
役に立ったのが、お風呂で使える
数字やひらがなの表。
裏側を濡らすと、
ペタッと壁に貼れるやつだ。

ふたりでお風呂に入ると、
それを一緒に読んだ。
欠点はすぐにカビが生えるということ。

お風呂掃除のたびに洗剤で
ゴシゴシ洗ったが、
数字の色が落ちてきて
何度か買いなおした記憶がある。

ただ、そのかいあって、いつのまにか、
数字やひらがなはもちろん
アルファベットまで
読めるようになった。

私がアルファベットを
読めるようになったのは
中学生のときだったから、
断然早いと言える。

一方、次男は、長男と同じ歳に
なってもなかなかおぼえない。

数字ひとつとっても、
「いち、に、さん、ご、ろく、なな」
「さんの次によんが抜けたから、もう一回ね」
「いち、に、さん、よん、ご、なな」と
必ずひとつ抜けてしまう。

長男のときと同様、
お風呂で勉強と思ったが、
お風呂は長男、次男、私と
三人で慌ただしく入る。
なかなかその時間がない。

今日こそはと、私が
「この数字はなに?」と
やり出した途端、
すぐに長男が次男に
ちょっかいを出してしまう。

仕方がないのでお風呂はあきらめた。
数字の絵本を買って、
夜寝る前に、読んで聞かせる。

毎晩だとあきてしまうので、
数日おきにその本を読んだ。

始めてから数か月経っただろうか、
ようやく10までは言えるようになった。
指を折りながら、
ときおり、ゆっくりになるが、
数字を飛ばすことなく10まで数える。

幼稚園に入るまでに、目標達成。
これで幼稚園に入っても、
先生の言うことについていけるに違いない。

大人と違って、子どもに教えるのは
なかなか難しいものだ。
仕事では、これまで何人もの後輩や
部下の面倒を見てきたが、改めてそう思う。

今度は10の次、11から20か。
これが結構教えるのが大変だったな、
と、長男のときを思い出した。
11からは、幼稚園に入って
しばらくしてからにしよう。

それから数か月後。
次男は幼稚園の年少になった。
「お父さん、絵本読もうよ」
次男がふざけて大量の絵本を抱えてきた。
声は出さず数えると、10冊ある。
ちょうどいい。
まずは10までの復習だ。

「本は何冊ある?」
私は次男に問いかけた。
「いち、に、さん、なな」

うん? 飛ばしすぎだぞ。
まさか、10までも忘れちゃったか?
次男は続ける。

「よん、ご、ろく、はち、きゅう、じゅう。
じゅっさつだよ」

合ってるんだけど、その数え方は、
逆に難しくないかい……?
結果を重視するか、プロセスを重視するか。
子どもに教えるのってつくづく難しい。

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