今回は、第6章【タイミング編①】DtoCマーケティング。
ターゲットと同じく重要なタイミングに関して解説していきます。
絞った特定のお客様に対して、そのタイミングを見極め、活用することで、さらに効率よく自社の商品・サービスの販売向上が見込めます。
忙しいときや、興味がない商品について、人は聞く耳を持ちませんよね。ニーズが高まる「そのとき」をキャッチしていきましょう。
さて、まずはタイミングはどういったものがあり、どのように活用できるのかを解説していきます。タイミングは大きく以下の2つにわけることができます。
・ライフサイクル
・顧客との距離
また、それぞれ「長期」と「短期」にわけることができます。
その4つを解説していきます。今回はライフサイクル編です。
ライフサイクル×長期
こちらは、人生という長いスパンでのライフサイクルです。人は生誕から、未就学時、小学生、中・高学生、大学、社会人のように歩んでいきます。
その中には、例えば、幼稚園入園、小学校入学、高校入学、成人式、就職などの様々なイベントがあります。また、加齢とともに、肉体はもちろん意識も変化していきます。そのたびに新たなニーズや悩みが発生します。
マタニティ用品や不動産、転職サービス、健康食品など、特定の期間にニーズが盛り上がる商品やサービスは特に、そのタイミングを逃さない手はありません。
では、そのタイミングはどのようにして把握するかというと、まず年齢だけでも、ある程度推定できますが、より、例えば「直近3か月以内に転職を考えていている」というような、ダイレクトな情報がほしいところです。ただ、たいていの場合、持っていないはずです。
こちらは、新規獲得の際であれば、例えば資料請求や、無料のキャンペーンでアンケートを取得したり、WEB上のログなどで情報を取得する場合が多いです。既存顧客の場合であれば、やはりアンケートなどで取得していきます。
その際、情報を組み合わせて推定することでタイミングがより精緻になっていきます。
例えば不動産、マンションや戸建ての販売業であれば、ただ30~40代の方という情報よりは、来年小学1年生になる子どもをお持ちの30~40代の方、という情報の方が有益なはずです。
※子どもが小学生になってから引っ越しをすると、子どもが転校することになるので、小学校入学前にマンションや家を購入するニーズが高まります。
自社の商品・サービスがほしいと気持ちが盛り上がるタイミングはライフサイクルでみるといつなのか、そしてそのタイミングだとわかる情報は何か、ということを考えていきましょう。
【余談:目まぐるしくニーズが変わる妊娠・出産期】
ひと言で妊娠・出産期といっても、タイミングごとで目まぐるしくニーズがかわっていきます。以下が例になりますが、ピンポイントで商品を提案するためには、この妊娠・出産期のように、ひと括りではなく、細かいタイミングの見極めが必要なケースがあります。例)
・妊娠初期(0ヶ月~4ヶ月)
→葉酸サプリ、妊娠線対策クリームなど
・妊娠中記(5ヶ月~7ヶ月)
→マタニティウェアなど
・妊娠後期(8ヶ月~10ヶ月)
→入院準備品、赤ちゃん用品、内祝い
ライフサイクル×短期
こちらは、もっと短期なサイクル、曜日や時間帯になります。マーケティングによく使われる粒度にわけると、
・曜日→平日(月~木)、週末(金)、休日(土日・祝日)
・時間→朝(9時~12時)、正午(12時)、夕方(17時~18時)、夜(18時~21時)、就寝後(0時~9時)
になり、基本的には、例えば金曜日の夕方というように、曜日と時間をかけ合わせます。
Eコマースでいうと、業種によらず、盛り上がるタイミングはおおよそ同じで、平日であれば正午や夜が一番盛り上がり、その次が朝や夕方になります。
これは、自分のライフサイクルを照らし合わせれば簡単に腹落ちするのですが、朝、通勤の電車の中でスマホを見て、昼休みにもスマホで見て、夕方、また通勤の電車の中でスマホを見て、夜は、PCやタブレットになる場合もありますが、また寝るまでの間に閲覧や購入を行うのです。
特に金曜や祝日の前の夕方は重要です。休日は時間が余っています。自社の商品やサービスにじっくり触れていただくために、そのお知らせをする絶好の機会となります。
ただし、どの企業も同じことを考えますので、お知らせがバッティングして埋もれてしまう場合もありますので、そこを意識し、あえてずらすのも手です。
他にもサービスによって、ベストなタイミングがあります。自分へのご褒美的な商品であれば、木曜日の夜や金曜日の正午に告知して、金曜日の夜に買っていただくやり方もありますし、ネットスーパーであれば、子どもが学校にいった後の10時頃に告知するやり方もあります。
【補足】
さらに、1年間でみると、春夏秋冬といった季節、クリスマスやお盆などのイベントも、商品やサービスによっては考慮すべき必要があります。ただ、恐らくこちらは普段から意識されているのではないでしょうか。
お客様が1日、1週間、1年間、人生でどんな行動を行うか、また併せて競合他社はどんなタイミングで何を告知しているかを研究して、ベストなタイミングを見極めてください。
さて、次回は「顧客との距離感」について解説していきます。
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