二人の子どもを入れなくてはいけないので、
お風呂の時間はいつも格闘だ。
まずは自分がお風呂に入って
長男を入れて、次は次男。
風邪を引かないように、とにかく
どれだけ素早くこなすかという勝負だ。
ところが今日は長男が具合が悪いらしい。
小学校から帰って、横になっている。
お風呂には入らないというので、
4歳の次男と二人で入ることになった。
そういえば、長男が小さい頃は、
お風呂で一緒に遊んだり、
ひらがなや数字を教えたりしたものだ。
そのかいあってか、
幼稚園の間にある程度、
読み書きができるようになった。
次男はそんな機会があまりなかったな。
お風呂はいつも早く上がるからな。
教えてあげる暇もない。
そこで今日は次男にお風呂で
数字を教えることにした。
体を洗ってあげて、二人で湯船につかる。
今日はゆっくりだ。
次男に声をかける。
「一緒に数をかぞえよう。
いくつまで数えられる?」
確か10までは数えられたはずだ。
「にじゅういち」
と次男が答える。
いつの間にか
10の壁は突破できていたようだ。
「じゃあ、21の次は?」
次男は顔をしかめている。
どうやったらわかるかな?
なにかヒントをあげたい。
考えたあげく、
「にじゅう、いちの次だよ」
いち、の箇所だけ声を大きくして
ふたたび聞いてみた。
すると、意外といいアイデアだったみたいだ。
「にじゅうに」とすぐに答えられた。
「正解。じゃあ、にじゅう、にの次は?」
「にじゅう、さん!」
即答だ。ただ、下1桁の数字を
10までのときと同様に
数えればいいということに気が付いたのだ。
私は嬉しくなった。
「じゃあ、次は難しいよ。ひゃく、いちの次は」
「ひゃく、に!」
「正解」
次男も嬉しそうだ。
「次は?次は?」
目をきらきら輝かせて私に催促する。
「じゃあ、次はもっと難しいよ。
せんにひゃくさんじゅう、さん、の次は?」
ちょっと間があいたので、
繰り返し質問してみた。
「せんにひゃくさんじゅう、よん!」
正解。さらに次男は問題を催促してくるが、
これ以上は風邪を引いてしまう。
お風呂を出て、髪をドライヤーで乾かして
あげながら、問題を続けた。
それにしても、
子どものきらきらした目を見るのは
いつぶりだろう。
いや、きっと、これまでも
何度も見る機会があったのに、
見過ごしていたのだろう。
これからは見過ごさないように、
そしてきらきらさせてあげるようにしていくのが
父親の役目なのだと、
改めて思ったお風呂の時間だった。
さて、今度は足し算を教えてみようかな。
どうやったら楽しく覚えてもらえるかな。
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